
ちゃんと向き合ってほしいのに、なんで伝わらないんだろう…
「ああ、また今日もスマホばっかり…」リビングで動画を見ている中学2年生の息子の姿に、思わずため息が出ます。定期テストが近いのに、全く勉強する気配がありません。
「ねえ、テスト勉強は?いつやるの?」いつもの小言を言おうとして、思わず口をつぐみます。「勉強しなさい」と言ったところで、どうせ反発されるか、聞いているふりをするだけ。
親子で嫌な空気になって、結局誰も得しないことは、今までの経験でよく分かっています。
親子関係が近すぎるからこそ、お互い冷静になれず、本能むき出しのバトルが勃発してしまうのです。
「このままで高校に行けるのかしら…」「他の家の子はどうしてるんだろう…」不安だけが募ります。
まずは原因を知ること:なぜ、うちの子は勉強しないのか?

頑張ってるのに、なんで伝わらないんだろう…
オンラインで学習アドバイザーに相談してみたところ、次のような回答がありました。
「お子さんの勉強のことで悩んでいらっしゃるんですね。多くの中高生のお子さんを持つ保護者の方が、同じような悩みを抱えていますよ。一人で抱え込まないで大丈夫です。
お子さんが勉強しない状態を放置すると、目の前の成績だけでなく、将来の学習にも影響が出てしまうリスクがありますから、まずは理由を理解してサポートしていくことが大切です」。
「お子さんが家庭学習をしないのには、いくつか理由が考えられます。原因を知ることが、効果的なサポートの第一歩なんです」。
勉強しない理由を知ることの重要性
「中学生時代の学習習慣は、将来に大きな影響を与えます。勉強しない状態が続くと、定期テストや高校受験に影響が出るだけでなく、授業内容が理解できなくなり、さらに勉強から遠ざかる悪循環に陥ることがあります。
基礎学力が不足したまま高校に進学すると、授業についていけなくなる可能性も高まります。」
「なんのために?」勉強の必要性を感じていない
「まず考えられるのは、勉強する意義を実感できていない、つまり『なんのために勉強するのか』という疑問を抱いているケースです。」
やり方が分からない、どこでつまずいているか分からない
「学校の授業だけでは理解できないことが増えたり、小学生の頃は宿題以外の勉強をしていなかったりすると、自分で勉強の内容を考えて実行する経験が足りず、何をすれば良いかが分からない、どこが分からないのかが分からない、という状況になります。」
集中できない環境や生活リズムの乱れ
「思春期のお子さんは、注意力が分散しやすい特性があります。また、部活動や人間関係のストレスで生活リズムが崩れてしまったり、夜型になってしまったりすると、疲れていて勉強ができない、ということもありますね」。
特に、質の悪い睡眠は脳に老廃物が溜まりやすくなり、記憶力や学習に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
スマホやゲームなどの誘惑に負けてしまう
「これは多くのお子さんが直面する問題ですが、スマートフォンやゲームに時間を費やすことで、勉強への集中力が削がれてしまいます」。
成績が伸び悩み、「どうせやっても無駄」とやる気を失っている
「努力が結果につながらないと、『どうせやっても無駄だ』と感じてやる気を失ってしまうお子さんもいます。自己肯定感が低くなりがちですね」。
思春期・反抗期特有の複雑な感情
「思春期は感情が複雑になり、親の言葉に反抗したくなる時期です。
勉強そのものに興味を持てない場合もありますし、親に『勉強しなさい』と言われることで、『やらされ感』が強くなって受け身になってしまうこともあります」。
✨やる気を引き出す!今日からできる保護者の声かけとサポート

叱るより、変われるきっかけを与えたい。
「勉強しなさい」はもう終わり!効果的な声かけと対話術
「まずは、感情的な叱責や他の子との比較はやめましょう。かえって学習意欲を低下させてしまいます。冷静に、お子さんの現状と向き合うことから始めます」。
「『勉強しなさい』と言う代わりに、『何時から勉強する?』のように、お子さん自身に決めさせるような声かけを意識してみてください。
子どもは自己決定感を強く求めます。お子さんの意見を聞きながら、一緒に学習計画やルールを決めることで、自分で決めたことなら守る意識も高まります。」
「そして、『なんのために勉強するの?』という問いには、『将来困るから』のような抽象的な説明ではなく、お子さんの興味や関心と勉強を結びつけて具体的に話すことが効果的です。
例えば、ゲームが好きな子なら『ゲームクリエイターには数学や英語が必要だよ』、スポーツが好きな子なら『スポーツトレーナーには生物の知識が重要だよ』というように、具体例を示しましょう。」
「できた!」を増やす小さな成功体験の積み重ね
「努力が結果につながっていない場合は、学習方法の見直しが必要です。まずは達成可能な小さな目標を一緒に設定してみてください。
例えば『問題集を1日〇ページ』『英単語を1日10個覚える』など、具体的な短期目標です。そして、頑張りや小さな変化を見逃さず、具体的に褒めてあげましょう。例えば『問題を最後まで解こうと頑張ったね』『計算ミスが減ってきたね』などです。自己肯定感を育み、『やればできる』という実感を持つことが、やる気につながります」。
目標を達成したら、家族で祝うなど、達成感を共有するのも良いですね。
勉強しやすい環境を整える
「集中できる静かな場所を確保したり、机の上を整理したりしましょう。
スマホやゲームなどの誘惑は、学習時間中は別の部屋に保管するなど、お子さんと相談して明確なルールを設定することが効果的です。」
「また、タイマーやスケジュールを活用して、時間を区切って学習に取り組むのもおすすめです。例えば『50分勉強したら10分休憩』のように、作業と休憩を交互に入れると集中力を維持しやすくなります。
強時間だけでなく、『何をできるようにするのか』という達成内容を目標にすることも大切です。生活リズムを整えることも重要で、適切な睡眠時間(中学生なら8時間以上が望ましいとされています)や朝食をしっかり取ることも、学習効率に影響します。」
夜ふかしなど、週末の生活リズムの乱れは「社会的時差ボケ」を引き起こし、学業成績との関連も指摘されています。就寝前2時間はスマホなどを控える工夫も有効です。
塾など、第三者のサポートを積極的に活用する
「学校の先生は一人ひとりの詳細な状況を把握するのが難しい場合もあります。塾に相談して、お子さんの苦手の原因を分析してもらい、どこから勉強すべきかアドバイスをもらうのも有効です。
個別指導塾なら、お子さんに合った学習プランを提案できますし、講師が家庭学習の計画や進捗を管理してくれるところもあります。
お家では集中できないお子さんには、自習室に来るよう声掛けをしてもらえる場合もあります。お月謝を払っているのですから、質問教室や自習室など、使えるものは全て使うというスタンスで活用しましょう」。
宿題管理を塾に丸投げするスタイルでうまくいったという例もありますよ。
まとめ:勉強しない子に悩んだら、まず親ができる一歩を踏み出そう

どうせ言っても無駄」とあきらめる前に
中高生が勉強に向き合えない背景には、「自己肯定感の低下」「目標がない」「親の接し方」など、さまざまな理由があります。
親としては不安になったり、焦ったり、時にイライラしてしまうこともありますよね。
でも大切なのは、「勉強させる」ことではなく、「自分から学ぶ気持ちを引き出す」こと。
そのためには、親の声かけや日々の接し方が、子どもにとって大きな影響を与えるんです。
今日からできる小さな工夫――
- 責めるよりも、まず受け止めること。
- 「なぜ勉強が必要なのか」を一緒に考えること。
- 目標や成功体験を一緒に見つけること。焦らず、一歩ずつ。
あなたのまなざしが、きっとお子さんの未来を明るく照らします。

