学校から帰ってきて、ソファーに倒れ込む我が子。 「今日もお疲れ様」と声をかけようものなら、「あー、疲れたー…」と重たいため息。 ちょっとでも勉強の話を振ろうものなら、「無理ー…」とシャットアウト。

毎日毎日、「疲れた」「無理」ばかり・・こっちまでぐったり疲れちゃう
「せっかく塾に通わせているのに、ちゃんと集中できてるの?」「高いお金を払ってるのに、無駄になってるんじゃないか…」なんて、不安が募るばかり。
「どうしてうちの子だけこんなにやる気がないんだろう」「このままじゃ将来どうなるんだろう」…そんなふうに、一人で悩みを抱え込んでいませんか?
「疲れた」「無理」と言う子どもの本音とは?

「本当に疲れてるの?それともサボってるだけ?!」
肉体的な疲労?それとも心のサイン?
「またそれ言うの?」と、ついイライラしてしまう気持ちもよく分かります。
でも、実はこの「疲れた」「無理」という言葉には、“心の抵抗”が隠れている可能性があるのです。
たとえば、
- 勉強に苦手意識がある
- 何をすれば良いか分からず混乱している
- 失敗するのが怖い
そんな気持ちが、「疲れた」「無理」という言葉で表現されているのかもしれません。
本当に疲れていることもあるけれど…
もちろん、部活動や習い事で身体的に疲れている可能性もあります。
しかしそれ以上に、勉強に対する心理的なハードルが高いと、少しの疲れでも「もう無理」と感じてしまうようです。
中学生が勉強に「やる気が出ない」理由として、
- 何をしたらいいか分からない:勉強の進め方や、自分に何が必要かが見えていない。
- そもそも授業の内容が分からない:どこでつまずいたか分からず、勉強が苦痛になっている。
- 勉強が嫌い・つまらない:勉強する意味を見出せず、興味が持てない。
- 集中力が続かない:長時間机に向かうのが苦手。
- スマホやゲームの誘惑:目の前の楽しいことに時間を使ってしまう。
これらの理由が、「疲れた」「無理」という言葉の背景に隠れている可能性も十分に考えられます。単に「サボっている」と決めつけるのではなく、何が原因で勉強から逃げたい気持ちになっているのか、その「心の抵抗」の理由を探ることが、親として最初の一歩になります。
親にできる!「無理」を「できるかも」に変えるアプローチ
有効な「スモールステップ作戦」とは?
子どもの心の抵抗に対し、親ができる具体的なアクションのひとつが「スモールステップ作戦」です。
小さなタスクで「成功体験」を積ませる
- テキストの1ページだけ
- 問題集の3問だけ
- 英単語を5つだけ
など、小さく区切った勉強に取り組ませ、10分だけタイマーをセットして行う方法です。
「10分ならできるかも…」という感覚が、「できた!」という自信へとつながっていきます。
大きな目標ではなく、小さな達成感を重ねる
大きな目標をいきなり提示しても、やる気が出ないのは当然です。
まずは短時間でもいいので、机に向かう習慣をつけることが第一歩。
そのうえで、ルーティンとして生活に組み込み、成功体験を少しずつ積み重ねていきましょう。
子どもの努力を「具体的に」褒める
「点数」ではなく「行動」を褒めることが大切です。
- 「タイマーが鳴るまで集中できたね!」
- 「3問ちゃんと解き終わったね!」
こういった声かけが、子どもにとっての次のモチベーションにつながります。
もし、「何をしたらいいか分からない」ことが「疲れた」「無理」の原因なら、この小さなタスクを一緒に決めてあげることも親のサポートです。学校の宿題の一部、塾のテキストの簡単な問題など、具体的に「これだけやってみよう」と提案してあげましょう。
子どもを変えるのは「共感」と「見守り」
「正直、私の方が『疲れた』って言いたい…」
子どもの勉強に付き合うのは、本当に根気がいることです。「どうして分かってくれないの?」「なんでやろうとしないの?」と、親も疲れてしまうことがありますよね。
そんな時、子どもを責めたり、他の子と比べたりするのは、かえって逆効果です。子どもは自己肯定感が低くなり、さらに勉強から遠ざかってしまう可能性があります。
感情的に叱るより、共感のひとことを
「疲れた」と言いたいのは、親のほうかもしれません。
でも、イライラした態度や否定的な言葉は、逆に子どもを追い詰めてしまいます。
まずは共感の姿勢を持つこと。
- 「毎日部活があるもんね。疲れるよね」
- 「難しい問題ばかりで大変だよね」
そういった言葉が、子どもの心に寄り添う第一歩です。
大切なのは、まずは子どもの気持ちに寄り添い、共感的な言葉をかけること です。例えば、「毎日部活があって疲れるよね」「難しい問題ばかりで大変だね」のように、彼らの状況や感情を理解しようとする姿勢を見せましょう。親が味方だと感じられれば、子どもも少しずつ心を開いてくれるかもしれません。
勉強以外の会話も大事に
勉強の話になると険悪になるなら、まずは日常会話から増やしていきましょう。
安心して過ごせる家庭環境が、子どもの「やってみよう」という気持ちを支える土台になります。
また、親子関係を良好に保つこと が、何よりの土台です。勉強の話になるとすぐ険悪になる…という場合は、まずは勉強以外のたわいもない会話を増やし、安心して過ごせる家庭環境を整えましょう。親が見守っている、「困ったらいつでも助けるよ」というサインを送り続けることが大切です。
「疲れた」が本当に体の疲れからきているなら、生活リズムを見直すサポートも必要です。十分な睡眠は、集中力や学習効率に大きく影響します。朝食をしっかり摂る、夜更かしを控えるなど、基本的な生活習慣を一緒に整えていきましょう。
親だけで頑張らなくていい。専門家に頼る選択肢も
塾の先生は勉強のプロであり、お子さんの学習状況を客観的に見て、適切なアドバイスやサポートをしてくれます。
塾の先生など第三者の力も活用しよう
「親の言葉は聞かないけど、先生の話なら素直に聞く」というケースも多いもの。
塾の先生は学習指導のプロです。学習状況の把握や課題の設定、やる気を引き出すアプローチなど、適切なサポートをしてくれます。
定期的な保護者面談などを活用して、家庭と塾で連携しながらサポートしていきましょう。
まとめ:焦らず、根気強く、少しずつ前進を
中学生の「疲れた」「無理」は、よくある成長過程の一部です。
しかしその裏には、勉強に対する不安や混乱、苦手意識が隠れているかもしれません。
親ができること
- 「スモールステップ作戦」で小さな成功体験を積ませる
- プロセスを具体的に褒めてあげる
- 子どもの気持ちに共感する
- 勉強以外の会話も大切に
- 必要に応じて塾や専門家と連携する
一気に変わることはなくても、親のサポートがあれば、子どもは必ず変化していきます。
「疲れた」と言われるたびに、心が折れそうになるかもしれませんが、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
我が子の成長を信じて、これからも一緒に歩んでいきましょう。

