「どうしてうちの子は、あんなに勉強しないんだろう?」
これは、私がずっと抱えてきた悩みでした。
何度「勉強しなさい」と言っても、暖簾に腕押し。
気づけば、定期テスト前だというのにスマホを触っている我が子を見て、怒鳴りつけたことも一度や二度ではありません。
「こんなに怒ってばかりいるのは、良くないって分かっているのに…」
私は、自分を責める日々でした。
そして、インターネットでこっそりと検索していました。
- 「中学生が勉強しないのは親のせい」
- 「子供が勉強できないのは母親のせい」
検索結果の言葉ひとつひとつが、私を深く傷つけました。
「やっぱり、私のせいなんだ…」
この記事を読んでいるあなたも、もしかしたら同じように、誰にも言えずに苦しんでいるのかもしれません。でも、今日は少しだけ、私の経験を通して、あなたに伝えたいことがあります。
罪悪感の沼にハマっていた私
私自身、子育てに自信がありませんでした。
周りのママ友のお子さんたちは、みんなしっかり勉強しているように見えました。
- 「Aちゃんは、自分から進んで塾に行くんだって」
- 「Bくんは、テストでいつも学年トップクラスらしいよ」
そんな話を聞くたびに、私の心はどんどん沈んでいきました。
「どうして、うちの子だけ…」
「私がもっと、しっかりしてれば…」
私は、いつの間にか「良い母親は、子どもを勉強できるように導くべき」という、根拠のない完璧主義の呪縛にとらわれていました。
そして、その呪縛が、私を罪悪感の沼に引きずり込んでいたのです。
「完璧な母親」を演じるのをやめてみた
ある日、私は疲れ果てていました。
また、息子と勉強のことで口論になり、私も息子も深く傷つきました。
その夜、私は決心しました。
「もう、完璧な母親を演じるのはやめよう」と。
息子が勉強しないのは、私のせいだけではないのかもしれない。
そう考えることで、心が少し軽くなりました。
私は、これまでのように「勉強しなさい」と口うるさく言うのをやめました。
最初は、罪悪感でいっぱいでした。
「このまま放っておいて、この子はダメになってしまうんじゃないか…」
でも、不思議なことが起こりました。
私から勉強のことを言われなくなった息子は、少しずつ変わっていったのです。
「勉強しない」の裏に隠されたホンネに気づく
ある日の夕食時、私は勇気を出して、息子に尋ねてみました。
「ねぇ、最近ゲーム、どう?」
息子は驚いた顔をしていましたが、少しずつゲームの話をしてくれました。
「この前、新しいステージをクリアしたんだ!」
中学生でゲームばかりしている息子に、これまで私は「時間の無駄!」としか言ったことがありませんでした。
でも、このとき、私は初めて気づきました。
ゲームの世界で、息子は「達成感」や「仲間とのつながり」を感じていたのです。
これは、勉強ではなかなか得られないものでした。
私はさらに、尋ねてみました。
「テストの勉強、どうかな?何か困っていることある?」
すると、息子は小さな声で言いました。
「…どうせやっても意味ないし」
その一言が、私の胸に刺さりました。
「どうせやっても意味ない」
彼は、過去に頑張ったのに結果が出ず、深い無力感を抱えていたのです。
「頑張ったのに報われない」という経験が、彼を勉強から遠ざけていたのだと、この時初めて知りました。
私が変わったら、息子も変わった
私は、自分自身の「中学生が勉強できないのは親のせい」という罪悪感を乗り越えるために、次の3つのことを実践しました。
1. 息子を「観察」するようになった
「勉強しなさい!」という言葉の代わりに、私は息子を観察するようになりました。
何をしている時に楽しそうか? どんなことに興味を持っているのか?
そして、小さな変化を見つけては、言葉で伝えるようにしました。
「今日、なんか楽しそうだね!」 「そのマンガ、面白いの?」
具体的にこんな声がけをしていました
観察しながら声がけした例
- 「昨日もちゃんと宿題を終わらせてたね。すごいね。」
- 「今日は学校から帰ってきてすぐ着替えたね。テキパキしててかっこいいよ。」
- 「毎日、疲れているのに部活を頑張っていて、えらいね。」
- 「部屋がすごくきれいになってる!いつ片付けたの?」
- 「友達と楽しそうに電話してたね。〇〇くんと仲良いんだね。」
- 「その本、面白そうだね。どこまで読んだの?」
- 「今日は夕飯をすごくきれいに食べてくれたね。ありがとう。」
- 「最近、前より早く起きられるようになったね。成長したね。」
- 「弟と仲良く遊んでくれて、ありがとう。」
- 「そのゲーム、すごく集中してやってるね。コツとかあるの?」
声がけして感じたこと
- 子どもの自己肯定感が上がる
- ある日、「今日は部屋、きれいだね」って声をかけたら、息子が「うん」って少し照れくさそうに笑ってくれて。それまで「なんで片付けないの!」って怒ってばかりだった私が、良い面を見てくれるようになったことで、息子も少しずつ自信を取り戻してくれた気がします。
- 親子のコミュニケーションが増える
- 「毎日部活頑張ってるね」って言うようになってから、息子が自分から「今日はこんな練習があったんだよ」って話してくれるようになりました。勉強以外の話が増えたことで、親子で話す時間がすごく楽しくなったんです。
- 子どもの本音を引き出しやすくなる
- 「毎日続けててすごいね」って褒めていたら、ある時「でも、本当はもうやめたいんだ…」って本音を話してくれました。それまで、心の中を隠していた子が、心を開いてくれた瞬間でした。
- 親自身のイライラが減る
- 「なんでやらないの!」って怒る代わりに、「今日は〇〇を頑張ってたね」って良いところを探す習慣がついたら、私自身もイライラすることが少なくなりました。子育てって、自分の心の持ち方ひとつで変わるんだなって実感しました。
- 自主性が育まれる
- 息子に「すごいね!」って声をかけると、「じゃあ、次もやってみようかな」って前向きな気持ちになってくれたようです。「やらされる」から「自分でやりたい」に変わっていく、その様子を間近で見ることができました。
- すぐに効果が出ないことがある
- 正直、最初は全然効果がなかったです。「またなんか言ってるよ…」みたいな、冷めた反応ばかり。でも、焦らず続けていくうちに、少しずつ息子との距離が縮まっていきました。長年の関係を築き直すには、やっぱり時間が必要なんだなと実感しました。
- 親が疲れてしまうことがある
- 毎日、良いところを探すのって、結構大変なんですよね。正直、「もう無理!」って思った日もありました。でも、完璧を目指さなくてもいいんだって思ってからは、少しずつ楽になりました。
- 子どもの反応が薄いと、やる気をなくす
- 頑張って声をかけたのに、無反応だったりすると、「もうやめようかな」ってへこんでしまうこともありました。でも、私自身が「この子のため」って気持ちを忘れずに続けることが大切なんだと信じて頑張りました。
声かけは、すぐに成績が上がる魔法ではありませんでした。
しかし、親子の信頼関係を築き、子どもが自ら学ぶ力を育むための土台となった気がしています。
今では、「焦らずじっくり取り組んでいく」のが重要だと感じています。
2. 結果より「努力」を褒めるようになった
テストが終わった後、点数を見て落ち込んでいる息子に、私は言いました。 「点数は関係ないよ。テストのために頑張ったことが、お母さんは嬉しい」と。
最初は戸惑っていた息子ですが、少しずつ笑顔を見せるようになりました。
「勉強しなくても怒られない」という安心感と、「努力を褒めてもらえる」という経験が、息子の自信を少しずつ取り戻させてくれたのだと思います。
努力を褒める声かけ(実例)
- 「昨日も遅くまで頑張ってたね。毎日続けるのって、本当にすごいことだよ。」
- 「この問題、前は分からなかったのに、今日は解けるようになってる!どうやってできるようになったの?」
- 「わからなくても諦めずに、最後までノートを見返していて感心したよ。」
- 「苦手な教科なのに、ちゃんと取り組んでてえらいね。」
- 「テストの結果はともかく、テストのために頑張って勉強していた姿は、お父さん(お母さん)すごく嬉しかったよ。」
- 「学校の宿題、面倒くさかったと思うけど、ちゃんとやりきったね。」
- 「今日はいつもより長く集中できてたね。何か工夫したの?」
- 「間違えたところを、ちゃんと見直しててすごいね。その頑張りが一番大切だよ。」
- 「週末も少しずつ勉強を進めていて、本当に計画性があるね。」
- 「疲れているのに、自分の決めたことはしっかりやるんだね。かっこいいよ。」
声がけして感じたこと
- 子どものやる気が続く
- テストの結果が悪くて落ち込んでいる息子に、「テストのために頑張って勉強していた姿、お母さん、すごく嬉しかったよ」って伝えたんです。すると、彼は「うん」と頷いて、また次の日から机に向かい始めました。「結果じゃなくて、頑張ること自体を褒めてくれるんだ」と感じてくれたのかもしれません。
- 挑戦することへのハードルが下がる
- 「もし失敗しても、頑張りを見てくれている」という安心感が生まれたようで、以前よりも難しい問題にも挑戦するようになりました。
- 自己肯定感が向上する
- 「諦めずにノートを見返していてすごいね」って言ったら、息子が「うん、頑張ったんだ」って自分で言ってくれたんです。自分で自分の努力を認められるようになって、本当に嬉しかったです。
- 親子の信頼関係が深まる
- 「私のことをちゃんと見てくれているんだな」って、息子が感じてくれたようです。
- 目標達成能力が向上する
- 「どうやってできるようになったの?」って聞くことで、自分のやったことや努力を振り返る習慣ができたようです。「次はもっと効率よくやってみよう」と、自分から考えてくれるようになりました。
- 子どもが褒められることに慣れてしまう
- 最初は良かったのですが、あまりに褒めすぎると、褒められないと動けなくなるんじゃないかって心配になりました。なので、「すごいね!」だけじゃなくて、「どうやって頑張ったの?」と、努力の中身を尋ねるように工夫しました。
- 親が疲れてしまうことがある
- 毎日、何か褒めることを見つけるのは、正直大変でした。でも、「今日は無理しなくてもいいや」って割り切って、無理のない範囲で続けるようにしました。
- 成果が出ないことへの不安が残る
- 努力を褒めても、テストの点数が上がらない時期もありました。正直、「このままでいいのかな…」と不安になったことも。でも、目に見える結果だけがすべてじゃないと信じて、続けていくことが大切だと自分に言い聞かせました。
もし今、あなたが同じように悩んでいるなら、焦らず、声がけという小さな一歩から始めてみるのも良いと思いますよ。
3. 専門家の力を借りた
子供が通っているスクールカウンセリングは相談しにくいと感じてた私がネットで検索したキーワード
- 「教育相談 〇〇市」(〇〇にはお住まいの地域名を入れる)
- 「子育て相談 〇〇県」
- 「学習相談窓口 公的」
- 子育てカウンセリング」
- 「親向け カウンセリング」
- 「教育コーチング」
- 「子育て 専門家 相談」
最も身近で、かつ無料で利用できる相談先は各都道府県にある教育センター/教育相談センター
探し方: 「(お住まいの地域名) 教育相談センター」で検索すると、電話番号や窓口の場所がすぐに分かります。まずは電話で相談内容を伝えてみましょう。
教育センター/教育相談センター
各地域の教育委員会が運営しており、専門のカウンセラーや教員経験者が対応してくれます。子どもの学習や進路、不登校など幅広い悩みに対応しており、心理的な側面からのアプローチも期待できます。
気軽に相談できるのは「親子のための相談LINE」
こども家庭庁の「親子のための相談LINE」

「親子のための相談LINE」は、子育てや親子関係の悩みを抱える保護者や、様々な悩みを抱える子どもたちが、LINEアプリを通じて無料で相談できるサービスです。
電話での相談が苦手な方や、顔を見せずに匿名で相談したい方にとって、非常に利用しやすい窓口として注目されています。
主な特徴
- 匿名で気軽に相談できる: LINEのトーク形式なので、電話とは違い、自分のペースで文章を打って相談できます。
- 専門家が対応: カウンセラーや教員経験者など、子育てや教育に関する専門的な知識を持った人が相談に乗ってくれます。
- 幅広い悩みに対応: 子どもの勉強の悩みはもちろん、不登校、友人関係、親子関係など、様々な問題に対応しています。
「こんなことで相談していいのかな?」とためらってしまうような、些細な悩みでも大丈夫です。
オンライン学習塾
子供の勉強のことで誰かに相談したいけど、「どこに相談すればいいのか分からない」「いきなり電話するのはハードルが高い」と感じていた時に目にしたのがオンライン学習塾。
調べてみると、オンライン学習塾が設けている「無料相談」が目に止まり試してみました。
これは、入会を前提とせず、子育てや学習の悩みに専門家が応じてくれるサービスです。
なぜオンライン学習塾の無料相談
「無料なのに、なぜ?」と思う方もいるかもしれません。多くのオンライン学習塾は、子ども一人ひとりの特性や悩みに合わせて最適な学習プランを提案することを重視しています。
そのため、体験レッスンや入会前に、まず保護者と子どもの現状を深く理解するために、こうした相談窓口を設けているのです。
どんなことを相談できるの?
相談内容は、お子さんの学習に関する悩み全般です。
- 勉強の「つまずきポイント」の特定:「どこから手をつけていいか分からない」「頑張っているのに点数が上がらない」といった、具体的な悩みを伝えることで、専門家がその原因を探ってくれます。
- 子どもの性格に合わせた学習方法のアドバイス:「集中力が続かない」「負けず嫌いな性格」など、子どもの個性に合わせて、どんな勉強方法が効果的か、具体的なアドバイスをもらえます。
- 親子の関わり方のアドバイス:「つい口うるさく言ってしまい、喧嘩になる」といった、親子関係の悩みについても相談できます。プロの視点から、どうすれば良好な関係を築けるか、具体的な声かけの例なども教えてもらえます。
相談の「探し方」と「活用法」
相談窓口は、「オンライン学習塾 無料教育相談」や「オンライン家庭教師 教育相談」などのキーワードで検索すると見つけることができます。
多くの場合は、ウェブサイトの問い合わせフォームから予約したり、LINEや電話で相談を受け付けています。
この無料相談は、「体験レッスンを受ける前の情報収集」としても非常に有効です。
複数の塾の相談窓口を利用し、それぞれの専門家がどんな視点を持っているか比較してみるのも良いでしょう。
無理のない範囲で、まずは気軽にメッセージを送ってみてはいかがでしょうか。一人で抱え込まず、プロの力を借りることで、新たな解決策が見つかるはずです。
あなたは一人ではありません
もしあなたが今、「うちの子が勉強できないのは、私のせい…」と自分を責めているなら、どうか自分を許してあげてください。
子育ては、答えのない旅です。
完璧な母親なんて、どこにもいません。
私自身、完璧な母親ではありません。
でも、息子に寄り添うことで、私たちは少しずつ前に進むことができました。
過去を悔やむのではなく、今日からできる小さな一歩を踏み出してみませんか?
あなたの心が安定することが、お子さんの未来につながります。

